品質管理の仕事では、
ヒューマンエラーによるミスを完全に防ぐことは簡単ではありません。
しかし、日々の意識や行動によって、
ミスの発生確率を大きく下げることは可能です。
私自身、医薬品の品質管理業務に携わる中で、
ヒューマンエラーによるミスを減らすために意識していたことがあります。
この記事では、
実務経験をもとに「ミスを減らすために意識すべきこと3つ」を紹介します。
① ダブルチェックを必ず行う
医薬品の試験記録において、
生データは信頼性が非常に重要な情報です。
試験では多くの項目を記録しますが、
記入漏れや記載ミスがあると、
試験全体の信頼性を大きく損なう可能性があります。
人間である以上、ミスを完全になくすことは難しいですが、
だからこそ重要なのが「ダブルチェック」です。
試験記録を提出する前に、
- 記入漏れがないか
- 数値や単位に誤りがないか
- 必要な項目がすべて埋まっているか
を一つひとつ確認することで、
ヒューマンエラーを大きく減らすことができます。
また、提出前の確認だけでなく、
試験中からチェックの意識を持つことも大切です。
- 記録を取りながらその場で確認する
- 頭の中でも手順や数値を再確認する
このように、
作業中と提出前の“二段階での確認”を意識することで、
よりミスの少ない業務につながると感じました。
② 試験にメリハリをつける
試験中、ミスをしないように常に気を張り続けていると、
疲労が蓄積し、かえってミスを誘発してしまうことがあります。
もちろん、試験中ずっと高い集中力を維持し続けるのは簡単ではありません。
そのため重要なのは、「力を入れるべきポイント」と「力を抜いてよいポイント」を見極めることです。
試験にメリハリをつけるということは、
言い換えると試験内容を正しく理解することでもあります。
例えば、
- 結果にほとんど影響しない作業
- 精密な操作が求められる重要な工程
この2つを区別できているかどうかで、ミスの発生率は大きく変わります。
具体的には、
- 溶液同士を一定量混合する操作
- 試料を正確に秤量し、規定量の溶液に溶解する操作
を比較すると、後者の方がより高い精度と注意力が求められます。
また、
- 粉末試料を複数扱う場合は取り違え防止
- 複数の溶液を使用する場合は表示の徹底
など、ヒューマンエラーが起こりやすいポイントを事前に把握することも重要です。
このように、
ミスが起こりやすい工程に集中力を使い、その他では適度に力を抜く
この“メリハリ”を意識することで、
結果的にミスの発生を大きく減らすことができます。
「すべてに全力」ではなく、「重要なところに全力」を意識することが重要です。
③ 再現性の高い試験をする
当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、
だからこそ非常に重要だと感じています。
品質管理の試験は、
定められた手順に基づいて実施されます。
一般的には、手順書や試験記録に沿って作業することで、
一定の再現性は担保されていると考えられています。
しかし実際には、
記録書には書かれていない細かな動作や判断も多く存在します。
そのため、
そうした部分までどれだけ同じように再現できるかが、
ミスの削減につながると感じました。
例えば、
- 試験器具の配置方法
- 作業のスピード感
- 器具(ピペット・ビーカーなど)の扱い方
- 作業手順の細かな順序
といった要素です。
これらを自分の中でルール化しておくことで、
- いつもと違う違和感に気づきやすくなる
- 作業のブレが減る
- 試験手順に自信を持てる
といったメリットがあります。
「毎回同じようにできているか」を意識することが、
ミスを防ぐ大きなポイントです。
まとめ
品質管理でミスを減らすために重要なのは、
- ダブルチェックを徹底する
- 試験にメリハリをつける
- 再現性の高い作業を意識する
この3つを習慣化することです。
ヒューマンエラーは完全には防げませんが、
日々の意識と工夫によって大きく減らすことができます。
「ミスしない人」ではなく「ミスを防ぐ行動ができる人」になることが大切です。


コメント